技能実習と特定技能の違いを分かりやすく説明|メリット・デメリット

2019年4月、新たに制定された「特定技能」制度ですが、既存の「技能実習」制度との違いがよくらからないという方も多いのではないでしょうか。

簡易早見表

技能実習特定技能
人数制限ありなし(介護・建設業はあり)
就労制限原則45時間以内
*超過した場合書類提出の義務
36協定の範囲内で就労可能
家族帯同✖️1号✖️ 2号○
転職✖️
支援委託先監理団体・組合登録支援機関
監理・支援委託費30,000円〜50,000円(目安)20,000~30,000円(目安)
受け入れ後、事務的作業
就業時の監督義務ありなし
永年雇用✖️1号✖️ 2号○

技能実習と特定技能の比較、違いと解説

「技能実習」は本来、開発途上国への協力という「国際貢献のための制度」で、日本で学んだ技術を母国に持ち帰り、伝える事を目標としています。

「特定技能」は簡単に説明すると、日本の深刻な人手不足を補うために設けられた制度、在留資格です。

在留資格目的
技能実習日本の高い技術を実習を通じて習得してもらい、母国へ培った技術を広めてもらうという
国際貢献を制度の目的としています。その観点から”労働力の確保”をする為の受け入れはできません。
特定技能人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し、戦力となる外国人を受けて人手不足を解消する為に制定された。
既存の就労が可能な在留資格はいずれの資格でも単純労働を行うことはできませんでしたが、特定技能では単純労働を含めた就労も可能になった為、多くの外国人人材に就労チャンスが広がることになりました。

在留期間

特定技能技能実習
1号:通算5年
2号:上限なし
技能実習1号:1年以内
技能実習2号:2年以内
技能実習3号:2年以内(合計で最長5年)

特定技能は在留資格の更新によって在留期間が5年まで延長できます。また、2号に移行すれば在留の上限はありません。

技能実習は3号まで変更することで最長5年まで在留できますが、実習生が技能評価試験を受け、合格することが必須です。2号移行は学科と実技、3号は実技の試験が実施されます。

受け入れ可能人数の比較

特定技能は原則、人数枠がありません。

対して、技能実習には細かい人数枠の制限があります。*企業で適切な指導ができる人数に、予め制限されています。希望する人数だけ、受け入れることができるわけではありません。

技能実習生受け入れ可能人数

常勤職員総数基本人数枠優良企業適合者
301人以上常勤人数枠の
1/20
基本人数枠の
2倍
201〜300人15人まで30人まで
101〜200人10人まで20人まで
51〜100人6人まで12人まで
41〜50人5人まで10人まで
31〜40人4人まで8人まで
30人以下3人まで6人まで

特定技能では基本的に受け入れ人数に制限はありませんが、建設業・介護業に関しては適切な労働環境確保への配慮が必要と言う観点から受け入れられる人数は『企業の常勤職員の総数を超えないこと』などの制限が設けられています。

技能実習生の雇用には、適切な指導ができる人材が必要です

技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員の配置義務

技能実習生を受け入れる為に、満たすべき要件があります。
技能実習責任者」「技能実習指導員」「生活指導員」の配置です。

技能実習責任者

技能実習責任者とは、技能実習生に関わる職員の監督や実習の進捗状況の管理などを行う人です。

技能実習責任者になれるのは、実習を行う事業所の常勤職員で、以下で説明する「技能実習指導員」や「生活指導員」を監督できる立場にある人です。

また、技能実習責任者となるには、過去3年以内に養成講習を受講しておく必要があります。

 技能実習指導員

技能実習指導員とは、実習生に業務を教え、技能修得のための指導をする人です。

技能実習指導員になれるのは、当該業務で実務経験を5年以上積んだ、実習を行う事業所の常勤の職員です

生活指導員

生活指導員とは、実習生の日本での生活を指導する人です。技能実習生の生活状況を把握し、相談に乗るなどして問題の発生を未然に防ぐ役割があります。

生活指導員になれるのは、実習を行う事業所の常勤の職員です。

技能実習 特定技能 重要なポイント

「技能実習」「特定技能」に限らず、就労が認められない在留資格での雇用は出来ません。
「技能実習」の場合は、業務が細かく分かれていて、簡単な業務であっても範囲を超えてしまうことで、雇用主が”不法就労助長罪”で罰せられてしまうこともあります。
また、前出の通り責任者や各指導員を配置する必要があるなど、「技能実習」を、受け入れをするには様々なルールや要件を満たす必要があります。

それらを踏まえると、「特定技能」は幅広く単純労働をする事ができる事や、また、彼らを雇用し育てることで、その与えた労働範囲でのリーダーとすることも可能です。
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