特定技能 漁業について
少子高齢化が進むにつれ多くの業界で深刻な人手不足が顕在化してきています。この流れは今後更に進むことは容易に考えられ、その様な状況に対応するべく、2019年4月に特定技能という在留資格での外国人労働者の導入が始まりました。特に人手不足が深刻と言われている14業種では、これまでよりハードルの低い条件で外国人材を受け入れる事が可能になった制度です。
2022年現在では14の分野で特定技能としての在留資格が認められていますが、その中でもお問い合わせの多い漁業分野に関する情報です。
特定技能 漁業は水産業も含めた分野で受け入れることが可能になった在留資格です。
特定技能を導入することで漁業・水産業分野の深刻な人手不足の緩和が期待されます。
漁業分野に受け入れすることができる特定技能の上限人数は最大で9000人と設定されています。しかしながら2020年2月時点で、漁業分野へ導入された人数はたったの35名。近年コロナ禍の影響もあり、出入国制限の影響で海外での日本語、技能測定試験共にストップしていた原因もありますが、出入国制限緩和に伴い、現在、インドネシアでは語学、技能に関する準備も再開、進んでいます。
インドネシア人にとっての漁業
インドネシアは、13000以上の島を有する島嶼国です。海洋面積が70%もあり海洋水産物収穫量も世界で中国に次ぐ第二位(2016年資料)で、海洋国家と言っても過言ではありません。幼い頃から海に慣れ親しんでいるインドネシア人は、漁業、水産業界に適していると言えます。
漁業分野の現状
平成25年 | 26年 | 27年 | 28年 | 29年 | 30年 | 令和元年 | 2年 | 3年 | |
海面漁業経営体数 | 9.5 | 8.9 | 8.5 | 8.2 | 7.9 | 7.9 | 7.3 | 7.0 | 6.5 |
漁業就業者数 | 18.1 | 17.3 | 16.7 | 16.0 | 15.3 | 15.2 | 14.5 | 13.6 | 12.9 |
うち65歳以上 | 6.4 | 6.1 | 6.0 | 5.9 | 5.9 | 5.8 | 5.5 | 5.2 | 4.9 |
農業同様に漁業、水産業も後継者不足による高齢化が深刻で、統計を遡ると平成10年は27万7000人とあり、令和現在と比べると半分近く減少となっています。
漁船員、水産養殖の作業員も有効求人倍率は2倍以上で、日本人労働者人口が今後も減り続けることを考えると、特定技能の労働力支援は必須となります。
特定技能 漁業の在留期間
漁業、水産業分野で受け入れ可能な特定技能は最長で5年の雇用となりますが、農業などと同様に繁忙期に働いてもらい、閑散期は帰国をしてもらうといった半年サイクルであれば、最長10年の雇用が可能となります。
この様な柔軟な雇用形態が可能なのも特定技能ならではです。
特定技能 漁業の資格取得の要件
日本語
- JFT-Basic 国際交流基金 日本語基礎テスト レベルA2以上
- JLPT 日本語能力テスト レベルN4以上
漁業 技能評価試験の合格
インドネシア現地で資格取得試験を受ける以外に、日本への短期滞在で資格取得を行うことも可能です。試験日程に合わせてパスポートや航空券など事前準備が必要ですが、実際に日本、職場を理解してもらう事ができ、メリットも多数あります。
漁業において特定技能外国人が就ける業種・業務・雇用形態・報酬
水産庁による漁業分野の特定技能人材、受け入れ制度は下記の通り
業務区分 漁業
漁具の製作・補修、⽔産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、⽔産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛⽣の確保 など
業務区分 養殖業
養殖資材の製作・補修・管理、養殖⽔産動植物の育成管理、養殖⽔産動植物の収獲(穫)・処理、安全衛⽣の確保 など
また、本来業務と関連性があると考えられる付随業務を行わせることは可能というのが法務省の見解ですが、業務範囲外を任せ過ぎるのは、気をつけなければなりません。あくまでも基準として漁業・水産業の下で作業する日本人が普段から従事している関連業務とされています。もっぱら関連業務のみに従事させることはできません。
*漁業・水産業や養殖業を外国人が主体的に行うことは、特定技能ではできない事になっています。船長や漁労長といったポジションに外国人を据える事はできません。
参考資料
水産庁「特定技能外国人材の受け入れ制度について(漁業分野)」
雇用形態
特定技能 漁業分野は直接雇用 派遣形態が可能
直接雇用
特定技能外国人材との雇用契約では、以下の基準を満たす必要があります。
- 所定労働時間が、同じ受入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること
- 報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること
- 外国人であることを理由として報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用、その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと
- 一時帰国を希望した場合、休暇を取得させるものとしていること
- 労働者派遣の対象とする場合、派遣先や派遣期間が定められていること
- 特定技能外国人材が帰国旅費を負担できないときは、受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑にされるよう必要な措置を講ずることとしていること
- 受入れ機関が特定技能外国人材の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること
- 特定技能外国人材はフルタイムで業務に従事することが求められますので、複数の企業が同一の特定技能外国人材を受け入れることはできません。
派遣雇用
農業分野と同等の理由から、派遣形態での雇用が可能です。これは特定技能人材が安定した賃金支払いを受けられるよう考慮されたもので、繁忙期、閑散期による影響を受けないようにする為に派遣形態が有効に機能すると判断されているものです。
「特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係る基準」では、派遣雇用をする場合には以下の要件を満たす必要があります。
・漁業分野において派遣形態により1号特定技能外国人を受け入れる事ができる派遣事業者は、特定技能基準省令第2条第1項9号に定める通り、以下の①〜③のいずれかに該当し、かつ、法務大臣が農林水産大臣と協議の上で適当であると認められる者になります。
- 漁業または漁業に関連する業務を行なっている者である事
- 地方公共団体又は①に揚げる者が資本金の過半数を出資している事
- 地方公共団体の職員又は①に揚げる者もしくはその役員、もしくは職員が役員である事その他地方公共団体、又は①に揚げる者が業務執行に実質的に関与していると認められる者である事
法務省によると、派遣受け入れ法人は以下の要件を満たす必要もあります。
- 労働・社会保険・租税関係を遵守している事
- 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていない事
- 5年以内に出入国・労働法令違反がない事
この他、「特定技能外国人支援計画」の策定、支援の実行、特定技能協議会への参加が義務付けられています。
特定技能外国人支援計画とは
受け入れ企業は特定技能の労働者の就労と生活を支援する体制を用意しなければなりません。
住宅の確保、口座開設に必要な手続きや日本語レベルの向上の目的も備えた生活オリエンテーションの実施、相談や苦情受け付け、転職などの際に必要な在留資格変更許可申請時に適切な情報提供などが必要です。
この様な、サポートを自社で完結することは難しい場合の為に、”登録支援機関”の制度が設けられています。
出入国在留管理庁に登録された登録支援機関に支援計画の実施を委託することができます。
NUINDO JAPANにご相談下さい
NUINDO JAPAN(ヌインドジャパン)はインドネシア人特定技能の労働者を、安心、安全かつスムーズに企業様へお繋ぎします。
登録支援機関様との連携で必要最低限のご準備を頂ければ、スムーズに人材を確保する事が可能です。
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